株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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コラム

外来様式1の効率的な作成方法

COLUMN

2025.10.02

外来データ提出加算・在宅データ提出加算・リハビリテーションデータ提出加算(以下「外来データ提出加算等」といいます)の届出に向けて、「外来様式1を効率的に作成したい…」というお問い合わせを多く頂戴しています。

本コラムでは、弊社販売の外来様式1作成ソフト「外来データクリエイター」を用いて、外来様式1を効率的かつ正確に作成する方法をご紹介いたします。
具体的なデータの作成方法よりも、届出のフローや、加算概要を確認されたい方は、「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」のホームページをご確認ください。

作業フロー

外来様式1作成対象患者の取り込み

外来様式1の作成は、作成対象となる患者を特定することから始まります。例えば外来データ提出加算においては生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)を主病とする患者、在宅データ提出加算においては訪問診療を行っている患者が対象になっており、これらの対象患者を特定することは作成の上で煩雑な業務の一つです。
外来データクリエイターでは、この業務を簡易化するために医事会計システムや電子カルテシステムから出力した外来Eファイル・Fファイル、Kファイル生成用データを連携ファイルとして使用します。これらのデータは医事会計システムや電子カルテシステムの機種によらず共通のフォーマットとなるため、システム連携のための個別カスタマイズ作業は発生しないので、カスタマイズ費用や時間は必要ありません。

上述の連携ファイルを用いることにより、外来データクリエイターでは外来様式1の作成対象となる患者リストを自動的に生成します。患者リストの作成時に、連携ファイルから取得可能な外来様式1項目が自動的に取り込み設定されるため、手入力の手間も軽減できます。

取り込み以外の項目を入力

外来Eファイル・Fファイル、Kファイル生成用データから取得できない項目については、外来データクリエイターに直接入力していきます。外来様式1の項目を事前に確認し、入力が必要な項目のうち、情報の取得に不足が無いかを確認しておきましょう。不足がある場合は、「問診票の項目について見直しを行い、患者さんに記入してもらう。」等、誰が、いつ、どのような方法で情報を取得するのかを検討しましょう。外来様式1を一度作成した患者については、2回目以降の作成時は前回複写機能により入力作業を大幅に軽減できます。


効率的に入力するためのポイント

外来様式1の作成対象患者のリストは自動的に生成されるものの、外来Eファイル・Fファイル、Kファイル生成用データから取得できない項目をいかに効率的に入力できるかがポイントになります。

外来様式1項目の情報収集

外来データクリエイターのユーザー様の多くは、電子カルテシステム等を参照して、事務職の方が入力作業を行っています。入力を効率的に行うために、必要な項目は「どのような資料の、どのような場所を参照すれば良いのか?」を具体的に確認しておきましょう。参照にあたり、項目によっては、「月間の最終の情報を登録する。」「月間の累計を登録する。」などの条件もあります。

入力台数の検討

外来データクリエイターはオンプレミス型でのみ、ご利用可能です(クラウド型ではありません)。1台の端末のみで導入いただく事も可能ですが、入力作業を様々な職種の方で手分けをして行う事をご検討の場合など、2台以上で入力をなさる場合は、サーバ機をご準備いただく必要があります。なお、1台の端末に導入した後に複数台の構成に変更する事も可能です。

追加連携の活用

自動で作成された患者リストを外来データクリエイターから出力し、表計算ソフト等で加工、再取り込みが可能です。特に、前回複写機能を使用することが出来ない初回の入力作業を行う際に効果的です。また、電子カルテシステムや部門システム等から出力したデータを連携させたい場合は、取込ファイル定義書をご用意しております。


正確なデータを作成するために

ここまで外来様式1についてご紹介しましたが、作成したデータを提出する際には、「外来データ提出支援ツール」を用いて、各様式ファイルの単体エラー(入力の抜け漏れ、不正な値の登録等)と、各様式ファイル間の相関エラー(作成対象患者の過不足、ファイル間の不整合等)チェック作業が必要です(内容に応じて確認・修正作業が必要となります)。

エラーチェック

「外来データクリエイター」では、外来Eファイル・Fファイル、Kファイル生成用データを連携ファイルとして取り込みを行っているため、「外来データ提出支援ツール」でエラーチェックを行う前に、エラー内容の確認が可能です。外来様式1、外来様式3については、「外来データクリエイター」内で修正まで可能なため、「外来データ提出支援ツール」に取り込み後は、スムーズに提出データの作成ができます。

匿名化処理

各様式ファイルのうち、外来様式3を除くファイルについては患者別に作成します。その際、院内で既に使用している患者IDに相当する、個人の識別子として、「データ識別番号」を設定することが求められます。院内で既に使用している患者IDは、そのままデータ識別番号として提出してはいけないこととされており、院内で定めたルールで変換を行うのが一般的です。院内で既に使用している患者IDを、上記のように別の番号に変換することをここでは「匿名化」とします。
「外来データクリエイター」では、匿名化の対象となる各様式ファイルを一括で匿名化処理が出来るため、調査ルールに準拠したデータ作成が可能です。


まとめ

本コラムでは「外来データクリエイター」を用いた外来様式1の作成方法についてご紹介いたしました。円滑に外来データ提出加算等の届け出、継続的なデータ提出に向けた一助となれば幸いです。





※本コラムは、2025年度の「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」および、2025年10月1日時点の「外来データクリエイター」の仕様をもとに作成しています。
※外来様式1の作成ソフトについては、外来調査事務局のホームページからダウンロード可能な「外来様式1入力支援ソフト」をはじめ、様々な選択肢があります。
※本コラムは、外来調査事務局とは関係ありません。