株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する当研究所の執務対応の方法について

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2021.01.13

当研究所は、今般の「緊急事態宣言」及び東京都の「緊急事態行動」を踏まえて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防及び拡散防止のため、一時的に当研究所内における執務を、可能な限り在宅勤務に切り替え、日本全国の出張業務を原則禁止することをもって鋭意対応いたします。
つきましては、在宅勤務の期間中における弊社宛のご連絡方法については以下のとおり実施いたします。

  • 電話及びメール
    当研究所医療ITソリューションセンター(営業:03-5511-8153、テクニカルサポート:03-6257-3903)、及びヘルスケア政策&マネジメントセンター コンサルティングGr(03-6257-3902)における電話対応は、自動音声によるご案内となる場合がございます。すぐに応答ができかねる場合がございますが、何とぞご理解くださるようお願いいたします。
    メールの運用は変わりませんので、ご用件の場合は、これまでと同様に各部署担当者宛にメール等にてご連絡ください。

  • ファックス
    ファックスは受信後確認され次第各担当者へメールにて転送する手順となりますことから、お急ぎの要件については各担当者のメールへ電子媒体にてお送りくださるようお願いいたします。

  • 郵便物
    確認が遅れる可能性がありますので、可能な限り、メール等電子媒体にて各担当者にお送りいただくようお願いいたします。
  • 何とぞご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
      

    ※DPC調査事務局の取扱いは明言致しかねるため、調査専用の問合せ窓口(dpc@prrism.com)までお問い合わせください。なお、電話での対応は致しかねるため、メールにてご連絡くださいますようお願い申し上げます。

    「医師の働き方改革」について考えよう!(第4回/全4回)~「医師の労働時間短縮計画」って何?どうやって作るの?~

    COLUMN

    2022.11.25

    「医師の働き方改革」についてのコラムもいよいよ最終回です。これまで、
    第1回:「医師の働き方改革」の概要
    第2回:時間外労働時間の「特例水準」について
    第3回:医師の労働時間の考え方
    と、連載してきましたが、今回は2024年4月から特例水準の指定を受けるために作成が必要な「医師の労働時間短縮計画」について説明します。

    1.「医師の労働時間短縮計画」の概要

    「医師の労働時間短縮計画(以下、医師の時短計画)」は、医療機関において計画的に労働時間短縮に向けた取り組みが進められるよう以下3点を記載し、これに基づきPDCAサイクルを回しながら、医療機関が毎年自己評価を行うこととされています。
    ①労働時間の短縮に関する目標
    ②労働時間の実績
    ③労働時間短縮に向けた取り組み状況

    また、都道府県が医療機関の取り組みに対する必要な支援をするために、計画作成後は、同計画を医療機関が所在する都道府県に提出することとなっています。

    医師の時短計画作成の対象医療機関は以下の通りです。

    ● 年間の時間外・休日労働時間数が 960 時間を超える医師(=A水準超の時間 外・休日労働を行う医師)が勤務する医療機関は、2023年度末(2024年3月末)までの計画作成を努力義務とする

    ● B水準・連携B水準・C-1水準・C-2水準の指定を受けることを予定している医療機関は、当該指定申請に当たり、医療機関勤務環境評価センター(以下、評価センター)による第三者評価を受審する前までに2024年度以降の計画の案(取り組み実績と2024年度以降の取り組み目標を記載)を作成すること

    評価センターとは、「医療機関に勤務する医師の労働時間の短縮のための取り組みの状況等について評価を行うこと」及び「労働時間の短縮のための取り組みについて、医療機関の管理者に対して必要な助言・指導を行うこと」により、医師による良質かつ適切な医療の効率的な提供に資することを目的として、2022年4月に日本医師会が厚生労働省から指定されたものです。

    2.作成対象となる医療機関は?

    B水準・連携B水準・C-1水準・C-2水準の申請を行うかどうかに関わらず、年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える医師の勤務する医療機関は、医師の働き方改革を計画的に進める必要があり、医師の時短計画作成が求められます。
    例えば、「年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える36協定を締結している医療機関」や「副業・兼業先の労働時間を通算すると予定される年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える医師が勤務している医療機関」は、医師の時短計画の作成対象です(ただし、連携B・B・C水準の申請を行わず、24年以降に960時間未満(A水準)にする場合は努力義務)。
    ですので、第3回でも解説した通り、まずは自院に勤務する医師の年間の時間外・休日労働時間数を把握して、「当院は医師の時短計画の作成義務があるかどうか」を確認しましょう。

    【年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える医師がおらず、A水準を目指す医療機関】
    ● 医師の時短計画の作成は不要です。
    ● 2024年4月以降、年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える労働をさせてはいけません。

    【年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える医師が勤務しているがA水準を目指す医療機関】
    ● 2024年3月までに医師の時短計画を作成することが望ましいが、あくまで努力義務です。
    ● 2024年4月以降、年間の時間外・休日労働時間数が960時間を超える労働をさせてはいけません。

    【特例水準(A水準以外)の指定を受ける予定の医療機関】
    ● 2024年3月までに、①医師の時短計画の作成、②評価センターによる審査、③都道府県からの指定、を完了させる必要があります。
    ● 評価センターによる審査は約4か月、都道府県による指定は約3か月掛かると言われており、医師の時短計画は2023年6月までに作成することを推奨します。

    また、第2回目のコラムにも記載しましたが、特例水準は指定を受けた医療機関に所属するすべての医師に適用されるのではなく、指定される事由となった業務に従事する医師にのみ適用されるため、所属する医師に異なる水準を適用させるためにはそれぞれの水準についての指定を受ける必要があるので注意しましょう。

    3.「医師の労働時間短縮計画」には何を記載するの?

    「医師の時短計画」は、労働時間の状況の適切な把握及び労働時間短縮の取り組みを促すため、各医療機関に共通して記載が求められる事項と、医療機関の多様性を踏まえた独自の取り組みの双方から構成されることが重要であるとされています。
    このため、計画の記載事項を「労働時間と組織管理(共通記載事項)」「労働時間短縮に向けた取り組み(項目ごとに任意の取り組みを記載)」に分け、医療機関の判断により計画の内容を検討できるようになっています。

    ここでは、記載する項目を簡単にご紹介します。
    ①労働時間と組織管理(共通記載事項)
    ・労働時間数
    ・労務管理・健康管理
    ・意識改革・啓発
    ・作成プロセス

    ②労働時間短縮に向けた取り組み(項目ごとに任意の取り組みを記載)
    ・タスク・シフト/シェア
    ・医師の業務の見直し
    ・その他の勤務環境改善
    ・副業・兼業を行う医師の労働時間の管理
    ・C-1水準を適用する臨床研修医及び専攻医の研修の効率化

    各項目の詳細については、厚生労働省による「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン」をご確認ください。また、弊社で開催予定の「医師の時短計画作成準備セミナー」でもご紹介する予定です。

    4.「医師の労働時間短縮計画」の作成プロセスは?

    では実際に、「医師の時短計画」はどのような手順で作成すればいいのでしょうか?一般的に想定される流れをご紹介します。

    Step1:医療機関における労働時間の把握
    Step2:特例水準を受ける場合、どの水準を受ける必要があるのか確認
    Step3:医師の働き方改革に向けた取り組み状況や課題の洗い出し
    Step4:「医師の時短計画」をひな型に沿って作成
    Step5:医療機関の医師の労働時間短縮の取り組みの評価に関するガイドライン(評価項目と評価基準)の88の評価項目(うち28項目は必須)を満たすか確認
    Step6:評価センターへ提出

    先に、特例水準の指定を受ける医療機関の場合は、審査に約4か月、指定に約3か月かかるため、医師の時短計画は2023年6月までの作成を推奨する、と述べました。上記のステップを完了させるには約4~6か月掛かることが見込まれるため、2023年の初頭には着手するのが望ましいといえます。
    ですので、医師の働き方改革に向けて、まだ何も準備していないという医療機関の方は、早急に上記のStep1とStep2の事項に取り組むことをおすすめします!

    なお、計画の作成に当たっては、必要に応じて医療勤務環境改善支援センターに相談し、アドバイスを受けることができます。

    また弊社も、医師の時短計画の作成方法をレクチャーする「医師の時短計画作成準備セミナー」を開催する予定です。
    コラムでは説明しきれなかった詳細についてもわかりやすく解説いたしますので、ぜひ受講していただけると幸いです。


    連載コラム「医師の働き方改革」について考えよう!(全4回)~「医師の働き方改革」って何?~
    第1回:「医師の働き方改革」の概要
    第2回:時間外労働時間の「特例水準」について
    第3回:医師の労働時間の考え方
    第4回:「医師の労働時間短縮計画」について←本コラム

    「医師の働き方改革」について考えよう!(第3回/全4回)~医師の労働時間の考え方と短縮のための方策~

    COLUMN

    2022.11.25

    第2回では2024年4月以降に始まる、特定労務管理対象機関の水準について解説しました。
    今回は、「当院はどの水準の届出をするべきか」を検討する際に把握しておかなければならない医師の労働時間の考え方について詳しく説明します。

    勤務医は他の病院で副業・兼業をしていたり、宿日直をしたりすることもあります。また、研修や勉強などの自己研鑽を積んでいる時間も多く存在します。これら「副業・兼業先での労働時間」「宿日直の間の待機時間」「自己研鑽に使っている時間」をどのように取り扱うのかを理解していないと、勤務医の労働時間を適切に把握・管理することは困難です。

    1.一般的な労働時間の考え方

    一般的に、労働時間とは使用者が指揮命令下に置かれている時間のことを言い、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間にあたります。その判断基準は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に記載されており、例えば、以下の3点も労働時間として扱う必要があります。

    ①使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間
    ②使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」)
    ③参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

    2.「医師の働き方改革」で考えるべき労働時間とは?

    (1)把握すべき労働時間や状況
    「医師の働き方改革」において、労働時間の実態を正確に把握することはとても重要です。労働時間は業務に従事している時間のみを指すのではありません。つまり医師であれば、自院で診察や診療をしている時間のみが労働時間になるのではないということです。
    医療機関において、医師の労働時間の実態を正確に把握するにあたり、必ず理解しておかなければならない事項は以下の5つです。

    ①主たる勤務先(自院)での労働時間
    ②副業・兼業先での労働時間
    ③労働時間に該当する診療外業務の時間(研鑽、研究等)
    ④宿日直中(主たる勤務先及び副業・兼業先)の労働状況
    ⑤副業・兼業先の日直許可の有無

    特に、副業・兼業先での労働時間は自己申告制になっているケースも多く、正しく把握する仕組みが必要です。また、研鑽においては医療機関でルールが定まっていない場合もあり、研鑽の扱いについてもルールを明確にする必要があります。

    5つの項目のうち、本コラムでは、「③労働時間に該当する診療外業務の時間(研鑽、研究等)」における自己研鑽の時間をどのように取り扱うのかについて簡単に解説します。

    (2)自己研鑽の取扱いの考え方
    医療機関に勤務する医師が、診療などその本来業務の傍ら、医師本人の知識の習得・技術向上のために行う自己研鑽については、労働時間に該当しない場合と労働時間に該当する場合があります。
    まず、労働時間に該当する自己研鑽は、所定労働時間において、医師が使用者に指示された勤務場所(院内等)において研鑽を行う場合を指し、当該研鑽に係る時間は労働時間として扱います。例えば、診療ガイドラインについての勉強や自らが術者である手術や処置の予習や振り返りは診療の準備又は診療に伴う後処理として不可欠なものなので労働時間に該当します。
    また、よくご質問をいただくのは、所定労働時間の研鑽の取り扱いです。この点について、厚生労働省は次の考え方を示しています。
    ■ 研鑽が、上司の指示によって行われる場合には、所定労働時間外でも、診療等の本来業務と直接の関連性なく行われるものでも、一般的に労働時間に該当する。
    ■ 診療等の本来業務と直接の関連性なく、かつ、上司の指示なく行われる限り、在院して行う場合であっても、一般的に労働時間に該当しない。

    労働時間に該当しない自己研鑽の具体例としては以下があげられます。
    ■ 研究を本来業務としない勤務医が、院内の臨床データ等を利用し、院内で研究活動を行っているが、その研究は、上司に命じられておらず自主的に行っている。
    ■ 勤務先の医療機関が主催する勉強会だが、自由参加である。
    ■ 学会等への参加・発表や論文投稿が勤務先の医療機関に割り当てられているが、勤務医個人への割当はない。

    この基本的な解釈は「医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方について」(2019年7月1日 厚生労働省労働基準局長通達)に詳しく記載されています。

    3.医師の労働時間短縮のための方策

    医師の労働時間を適切に把握し、A水準の上限規制を超える労働時間になっている場合は、労働時間短縮のための取り組みが必要となります。その取り組みを明文化したものが「医師の労働時間短縮計画(以下、医師の時短計画)」です。

    医師の労働時間短縮に向けた取り組みとしては、様々な方策が考えられますが、医師の時短計画では以下の類型が定められており、各項目について少なくとも1つ以上の具体的方策を記述する必要があります。

    ① タスク・シフト/シェア
    ② 医師の業務の見直し
    ③ その他の勤務環境改善
    ④ 副業・兼業を行う医師の労働時間の管理
    ⑤ C-1水準を適用する臨床研修医及び専攻医の研修の効率化

    次回は、この医師の時短計画の概要とどのようなプロセスで策定すれば良いかについて解説します!


    連載コラム「医師の働き方改革」について考えよう!(全4回)~時間外労働時間の「特例水準」について詳しく知ろう~
    第1回:「医師の働き方改革」の概要
    第2回:時間外労働時間の「特例水準」について
    第3回:医師の労働時間の考え方←本コラム
    第4回:「医師の労働時間短縮計画」について

    「医師の働き方改革」について考えよう!(第2回/全4回)~時間外労働時間の「特例水準」について詳しく知ろう~

    COLUMN

    2022.11.25

    第1回では、医師の働き方改革の大枠と時間外労働時間の上限規制について解説しました。その際、医師向けの時間外労働時間の上限規制には例外とさらにその特例の2種類があると述べました。月100時間(休日労働含む)・年間960時間(休日労働含む)が上限となる「A水準」と、月100時間(休日労働含む)・年間1860時間(休日労働含む)が上限となる「特例水準」です。今回は、それぞれの水準について詳しく説明します!

    1.時間外労働の上限規制の「特例水準」とは?

    医師における時間外労働時間の上限には5つの水準(A水準+4つの特例水準(後述))が設けられていますが、36協定を締結した場合における時間外労働時間の上限は、すべての水準に共通して「月45時間、年360時間」であることを押さえておきましょう。それぞれの水準で違いがあるのは「臨時的な必要がある場合の時間外労働時間の上限」です。

    まず、①診療従事勤務医に2024年度以降適用される水準(以下「A水準」)は、医療機関で診療に従事する勤務医に適用される原則的な水準です。医療機関に勤務するすべての医師がA水準であれば、特別な届出や準備は不要です。

    次に、「特例水準」は以下の4つに分けられます
    ②地域医療確保暫定特例水準(以下「B水準」)
    ③連携型地域医療確保暫定特例水準(以下「連携B水準」)
    ④集中的技能向上_研修水準(以下「C-1水準」)
    ⑤集中的技能向上_特定高度技能水準(以下「C-2水準」)

    それぞれの水準について以下の3点をまとめたものが下表です。
    ● 臨時的な必要がある場合の時間外労働時間の上限
    ● 指定条件
    ● 医師労働時間短縮計画案の策定

    水準指定条件時間外労働の制限医師の時短計画の作成
    A水準特になし。
    所属する医師がすべてA水準であるならば、医療機関が指定を受ける手続き等は不要。
    年間960時間
    月100時間未満
    不要
    B水準・三次救急医療機関
    ・二次医療機関かつ年間救急車受け入れ1000台以上または年間の時間外入院500件以上
    ・在宅医療を担う医療機関
    ・専門的な治療を行う医療機関
    といった、救急医療や居宅等における医療等を提供する医療機関
    上記のため、やむなく時間外労働が年間960時間を超える医師が存在すること。
    年間1860時間
    月100時間未満
    必要
    連携B水準・他の医療機関に医師の派遣を行うなどしている医療機関

    ・自院おいての時間外労働の予定は年960時間以内であるが、上記の機能を果たすためやむなく他の医療機関での勤務と通算で予定される時間外労働が960時間を超える医師が存在すること。
    年間1860時間
    月100時間未満
    必要
    C-1水準臨床研修プログラム、専門研修プログラム・カリキュラムの研修機関であること。年間1860時間
    月100時間未満
    必要
    C-2水準医籍登録後の臨床従事6年目以降の者が、高度技能の育成が公益上必要な分野について、指定された医療機関で診療に従事する等医師の育成が可能であること。年間1860時間
    月100時間未満
    必要

    医師の働き方改革の推進に関する検討会 中間まとめより独自に作成

    上表の通り、A水準以外の各水準である特例水準の指定を受けるためには医師労働時間短縮計画の作成・提出が必要となります。
    ですので、まずは貴院に勤務する医師の労働時間の実態を把握し、「当院はどの水準を目指すのか?」の方針を決めることが大切です。

    2.指定を受けるまでのスケジュールは?

    もし、A水準以外の指定を受ける予定があるのであれば、2024年4月以降の医師の労働時間短縮計画を作成し、各都道府県に指定申請をする必要があります。
    下図のとおり、すでに「時短計画」の作成期間であり、医療機関勤務環境評価センターによる評価も始まっています(評価センターについては第4回でご紹介します)。

    引用:令和3年度 第1回医療政策研修会及び地域医療構想アドバイザー会議

    2024年4月までにA水準以外の指定手続きが完了していないと、年間960時間を超えて時間外労働ができなくなるので、早期に医師労働時間短縮計画案を提出できるよう準備を進めましょう。
    注意点として、A水準以外の各水準は、指定を受けた医療機関に所属するすべての医師に適用されるのではなく、指定される事由となった業務に従事する医師にのみ適用されます。そのため、所属する医師に異なる水準を適用させるためには、医療機関はそれぞれの水準についての指定を受ける必要があります
    下図を例にすると、「B水準の業務に従事し、長時間労働が必要となる医師」が所属する××科と〇〇科はB水準の指定を受ける必要がありますし、すべての診療科に集中的な研修を必要とする臨床研修医が勤務するのであればC-1水準の指定も受ける必要がある、ということです。

    引用:令和3年度 第1回医療政策研修会及び地域医療構想アドバイザー会議

    今回は医師の時間外労働の上限規制における原則と特例水準について説明しました。この指定を受けるためには、医師の労働時間を調査したうえで、当院においては時間外労働がどの程度発生するのかあるのかを把握する必要があります。
    つづいて、第3回では医師の労働時間の考え方について解説します!


    連載コラム「医師の働き方改革」について考えよう!(全4回)~「医師の働き方改革」って何?~
    第1回:「医師の働き方改革」の概要
    第2回:時間外労働時間の「特例水準」について ←本コラム
    第3回:医師の労働時間の考え方
    第4回:「医師の労働時間短縮計画」について

    「医師の働き方改革」について考えよう!(第1回/全4回)~「医師の働き方改革」って何?~

    COLUMN

    2022.11.25

    改正労働基準法に基づき、2024年4月から「医師の働き方改革」として、勤務医にも時間外労働の罰則付き上限規制が適用となります。

    「医師の働き方改革」とは一体どのようなものなのでしょうか?
    病院はどのようなことをすれば良いのでしょうか?

    今回は「医師の働き方改革」をテーマに、関連する制度の概要を起点として、病院に求められることまでを下記4回にわたってコラムをお届けします!

    第1回:「医師の働き方改革」の概要 ←本コラム
    第2回:時間外労働時間の「特例水準」について
    第3回:医師の労働時間の考え方
    第4回:「医師の労働時間短縮計画」について

    1.そもそも「働き方改革」とは何?

    「働き方改革」は、2018年6月に成立した「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」に基づくものであり、2019年4月から順次施行されてきました。

    「働き方改革」の目的は以下のように明示されています。
    “労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講ずる。”

    引用:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の概要

    具体的には「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「働く人のニーズの多様化」などの社会的課題に対応していくために、自分で働き方を「選択」していくための取り組みです。

    医師の勤務環境改善には長期的な見通しが必要となるため、2019年から5年間の猶予期間が与えられました。
    また、医師の長時間労働の状況を鑑み、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保のために、2021年5月に「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」が公布され、2024年4月から順次施行される予定となっています。
    よって、2024年4月までに勤務環境を改善する「医師の働き方改革」に対応しなくてはなりません

    2.知っておきたい労働時間の基本!

    冒頭で「勤務医にも時間外労働の罰則付き上限規制が適用となる」と述べましたが、まずは時間外労働時間の上限規制の基本を解説します。
    労働基準法32条においては、「1日8時間、週40時間(法定労働時間)を超えて労働させてはならない」と定められています。ただし、使用者は、労働者の過半数で組織する労働組合、又は労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者と協定(いわゆる36(サブロク)協定)を結び、労働基準監督署に届け出れば、法定労働時間を超えて労働させることができます。

    しかし、36協定を締結すれば使用者は際限なく労働させることができるわけではありません。時間外労働時間の上限規制には、①原則、②例外、③医師向けの例外、④医師向けの例外の特例があります。上限規制は4種類あると押さえておきましょう。

    まず、時間外労働時間の上限規制の原則は「時間外労働時間は、月45時間・年360時間を超えてはならない」というものです(①)。これは勤務医にも適用されます。
    次に、例外として、時間外労働を行わせざるを得ない特別な事情がある場合には、特別条項付きの36協定を届出することで、月100時間(休日労働を含む)・年720時間(休日労働を含まない)が上限となります(②)。

    3.医師に適用される時間外労働時間の上限規制

    医師の場合は、緊急手術が重なった等への対応を要する場合を想定し、上記の例外ではなく、さらに上の月100時間(休日労働含む)・年間960時間(休日労働含む)までという上限が適用されます(③)。これがいわゆる「A水準」と呼ばれるものです。

    さらに、「地域医療提供体制の確保の観点から長時間労働にならざるを得ない場合が想定される」や「他の職業と同様の上限規制を適用することで、臨床研修医・専門研修中の医師が知識や技能を身に付けるための必要期間が長期化する恐れがある」といった背景を汲む形で、A水準を超える「特例水準」が設けられています(④)。特例水準の場合は、月100時間(休日労働含む)・年間1860時間(休日労働含む)が上限です。

    上記をまとめたのが下表になります。



    特例水準には、医師の労働時間短縮のための計画を都道府県に提出するなどの指定条件もあります。
    本連載の第2回では、A水準及び特例水準の詳細指定条件について解説します。

    今回は「医師の働き方改革」を考えなければいけない背景である「働き方改革」の概要と、その中で医師が対象となる箇所について簡単に説明しました。2024年4月労働時間の上限規制の導入に備えて早期に準備を行い、「医師の働き方改革」の対応をしていきましょう。


    連載コラム「医師の働き方改革」について考えよう!(全4回)~「医師の働き方改革」って何?~
    第1回:「医師の働き方改革」の概要 ←本コラム
    第2回:時間外労働時間の「特例水準」について
    第3回:医師の労働時間の考え方
    第4回:「医師の労働時間短縮計画」について

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    2022.11.07

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    〇本Webセミナーは、ネクプロ社のセミナー配信サイトを使用します。推奨環境や視聴テストは、
    こちらをご覧ください。(注:リンク先では音声が流れます)
    ○受講にあたり、受講者側のカメラやマイクは使用しません。

    弊社からの申込受理メールが届かない場合、下記の理由が考えられます。
    恐れ入りますが、メールフォルダや受信設定のご確認をお願いいたします。
    ○ メールアドレスを誤って申込をされている
    ○ 迷惑メールフォルダに振り分けられている
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    そのような中、
    ○ データ提出業務を行える職員が1人しかいない
    ○ 毎回遅くまで残業して提出対応している
    ○ 職員教育の時間を取れない
    ○ 担当者が急に退職してしまいデータ提出に苦労している

    というお声も多く、属人化による提出遅延のリスクや働き方改革対応への不安を抱えていらっしゃる病院様が多いのが実状ではないでしょうか?

    そこで今回、データ提出業務を担う人材の育成をご支援するための講座として大変ご好評いただいております「DPCデータ提出スキル習得講座」をお好きな時期(3か月)に受講できるようにいたしました。

    本講座は、データ作成→形式チェック(データ提出)→再提出の各段階でのポイントを体系的に学べる内容になっています

    新入・新任職員向けの研修や現担当者の知識の棚卸しに、ぜひ本講座をご活用ください!

    ※本講座は2022年5月~8月に開講した同タイトルの講座と同じ内容です。お申込にあたりご注意ください。


    受講者様の声
    「今回初めてデータ提出するため、大変参考になった。」
    「初めてデータ提出業務に携わることになり不安でしたが、受講して不安が解消されました。」
    「入力時短テクニックがとても参考になりました。 テンポよく具体的な説明をして頂き、勉強になりました。」
    「一番頭を悩ませる形式チェックですが、詳細に解説があり今後はエラーに慌てずに対処出来そうです。」
    「スムーズにエラーを消すことができ、残業を減らすことができた。」
    「再提出時の修正方法が曖昧で不安でしたが、今回勉強させていただいて自信が持てるようになりました。」


    留意事項
    〇本講座は、ネクプロ社のセミナー配信サイトを使用します。推奨環境や視聴テストは、こちらをご覧ください。(注:リンク先では音声が流れます)
    ○受講にあたり、受講者側のカメラやマイクは使用しません。

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    ○ 迷惑メールフォルダに振り分けられている
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