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病院全体で取り組む重症度、医療・看護必要度の精度向上

COLUMN

2020.09.16

「重症度、医療・看護必要度(以下、「看護必要度」とする)」とは、患者の重症度と活動行為および患者に提供されるべき看護の必要量を測る指標のことです。2008年度に7対1入院基本料の届出要件に導入されて以来、医療需要に応じた病院の機能分化を図る政策の一つとして、「看護必要度」の見直しや、入院料を決定する基準としての見直しが行われてきました。

2020年度の診療報酬改定では、さらに入院料の基準が厳しくなり、病院の機能分化を進める政策が強化されています。

「看護必要度」は、3つの大項目からなる24の評価項目について、患者の重症度と看護の必要量が測定されています。
A項目:患者に行われている治療内容
B項目:患者の自立度や活動状況
C項目:急性期の密度の高い治療の有無

また、「看護必要度」は看護業務を可視化し、看護の質を保証するための「看護師の適正な配置」を図ることが目的であり、病棟管理においても活用されています。そして、入院基本料の基準に「看護必要度」が指標となったことで、医療需要に対し適正な看護配置であるか、適正な入院料であるか、を示すものとなりました。

看護配置や入院料の適正を保ち、また看護の必要量が正しく評価されるためには、「看護必要度」評価が正確でなければなりません。

「看護必要度」の正確な評価のためには看護師だけでなく、病院全体での協力が必要です。正確な評価を実現するために、各職種が評価の目的を理解し、協力し合いましょう。

例えば…

【医師】
一人で患者に行った処置や検査は、必ず看護師に報告し、記録に残しましょう。

【看護師】
当日の患者の状態と、実際に行った看護を正しく評価・入力しましょう。前日の評価を継続使用し修正する場合には、特に注意が必要です。
(新たな処置の評価抜けや、患者の状態変化に合っていない処置などが生じることがあります。)

【薬剤師】
「看護必要度」に関わる薬剤の使用について、使用患者の抽出に協力しましょう。

【理学療法士】
体位ドレナージ、スクウィージングを行った際は、看護師に報告し、記録に残しましょう。

【医事課】
EFファイルと看護必要度の結果が大きく乖離しているものがある場合に、看護部と協力しながら原因を追究しましょう。

*上記は、看護必要度Ⅰを想定して記載しています。

2020年度診療報酬改定により、病床数と入院基本料に対し看護必要度Ⅱが要件化されました。しかし、DPCデータから見える「看護必要度」が、実際の看護業務量と乖離していないか、ということは常に注意を払っておく必要があります。そのために、看護必要度Ⅰでの評価方法を現場で継続している医療機関もあります。

今後、地域の特性に応じた医療需要を見据え、病院機能の転換を図る医療機関が増えてくると思われます。「看護必要度」は、医療需要を見極める際に参考になりますし、病院機能の転換によって入院料算定要件上の看護配置基準が変わる場合も、「看護必要度」を適正な看護配置のための指標の一つとして用いることができます。

そして、「看護必要度」の正確な評価は、看護の質を客観的に表す指標として活用することへ繋がります。

弊社では看護必要度の入力精度向上のコンサルティングも行っています。ぜひとも下記ページをご確認ください。

隙間時間に読める!DPCデータの一言コラム
第3回 診断群分類(DPCコード)編

COLUMN

2020.09.09

DPC制度では、診断群分類ごとに入院1日あたりの点数が決められており、その点数をもとに請求金額が決定されます。
今回は「診断群分類(DPCコード)」にフォーカスを当てた一言コラムです。

診断群分類(DPCコード)の体系

診断群分類は、「DPCコード」や「DPC14桁」、「DPC」とさまざまな呼ばれ方をします。(このコラムでは「診断群分類」で統一します)
診断群分類は14桁のコードで構成されており、それぞれの桁に意味を持っています。
2020年4月時点で3,990の診断群分類が存在しています。

例えば、大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術をした診断群分類であれば、下記のようなイメージになります。

MDC・分類コード:医療資源を最も投入した傷病名に対応するコード、DPC6桁ともいいます
年齢・体重・JCS条件等:診断群分類によっては、年齢や出生時体重や意識障害の度合い等で分岐があります
手術等サブ分類:診断群分類によって、手術等に応じたコードが決まっています。手術をしていない場合は「99」を表示します
副傷病名、重症度等:医療資源投入量に影響する入院時併存症・入院後発症疾患・重症度の有無で表します

MDC(主要診断群)

MDC(主要診断群)は下記の18の分類に分けられます。
 MDC01 神経系疾患
 MDC02 眼科系疾患
 MDC03 耳鼻咽喉科系疾患
 MDC04 呼吸器系疾患
 MDC05 循環器系疾患
 MDC06 消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
 MDC07 筋骨格系疾患
 MDC08 皮膚・皮下組織の疾患
 MDC09 乳房の疾患
 MDC10 内分泌・栄養・代謝に関する疾患
 MDC11 腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
 MDC12 女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩
 MDC13 血液・造血器・免疫臓器の疾患
 MDC14 新生児疾患、先天性奇形
 MDC15 小児疾患
 MDC16 外傷・熱傷・中毒
 MDC17 精神疾患
 MDC18 その他

さらに、分類コードまで含めると、502種類になります(2020年4月時点)。

診断群分類(DPCコード)ごとの入院日数と点数

診断群分類ごとに入院1日ごとの点数が決められています。

例えば、大腿骨頸部骨折であれば、上記のような3つの診断群分類に分かれています。(2020年4月時点)

入院1日ごとの点数は入院期間によって逓減する仕組みになっています。(点数の設定方法は診断群分類の特性に合わせて4種類の方式が存在します)
「160800xx99xxxx」であれば、入院期間①では2,971点ですが、入院期間②では1,857点となり、約1,100点の開きが生じています。
入院期間の日数や点数については、診療報酬改定の度に見直されています。

下図は一般的な診断群分類における点数の設定方法のイメージです。
図のように、入院期間が①から②に移る日(第Ⅰ日)を境に、1日あたりの点数が下がります。
入院期間①の1日あたりの点数が、1日あたりの医療資源平均投入量よりも高く設定されているので、早期退院を促すインセンティブが働きます。

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DPC Bakery

データ提出加算とは? 様式1データ作成編②

COLUMN

2020.09.09

データ提出加算が要件化される入院料は拡大を続け、2020年度改定では許可病床200床未満の療養病棟入院基本料等の病院までの拡がりを見せています。

今回のコラムでは、前回に引き続き、データ提出加算に必要な「様式1作成」にフォーカスを当て解説をします。

前回のおさらい

「概要編」では、データ提出加算の要件化入院料や届出までの流れを解説しました。これから届出を検討される施設は流れをご確認頂ければと思います。
「概要編」はこちら

「DPCデータ提出編」では、DPCデータの作成から提出までの流れを紹介しました。提出時の注意事項等について、担当者の方はご確認頂ければと思います。
「DPCデータ提出編」はこちら

「様式1データ作成編①」では、様式1データ作成に必要な、病棟グループの分け方や親様式/子様式の考え方について解説しました。
「様式1データ作成編①」はこちら

病名の選択

様式1データでは入力時に何度か病名を選択する必要があります。病名を選択する必要があるのは以下のような傷病についてです。
医事課等の入力担当者では判別不可能な場合があるので、医師等の協力によって病名を共有する仕組みを構築する必要があります。

主傷病(1つ)
医師が医学的判断に基づき決定した傷病名

入院の契機となった傷病名(1つ)
今回入院し治療する必要があると判断する根拠となった傷病名

医療資源を最も投入した傷病名
入院期間中、最も医療資源(ヒト・モノ・カネ)を投入した傷病名

入院時併存症(最大10個)
入院時発症疾患(最大10個)

また、病名を選択する際は、
併存症を含めて、病名のコーディングは全桁コーディングが必要
医療資源を最も投入した傷病名には、使用できないICD10コードが存在
医療資源を最も投入した傷病名には、部位不明・詳細不明コードの使用は控える(使用不可ではありません)
等、注意すべき事項があります。

重症度の選択

様式1データでは、選択した病名に応じて重症度の分類を入力する必要があります。
下記に病名と重症度の例(一部)をお示しします。

肺炎
15歳以上で、医療資源を最も投入した傷病名が「インフルエンザ・ウイルス性肺炎・肺炎」の場合

脳卒中
医療資源を最も投入した傷病名が「くも膜下出血・破裂性脳動脈瘤・非外傷性頭蓋内血腫・非外傷性硬膜下血腫・脳梗塞・一過性脳虚血発作・脳卒中の続発症・脳血管障害」の場合

がん
医療資源を最も投入した傷病名が「悪性腫瘍」の場合

DPCデータ提出スキルアップセミナー (webセミナー)

SEMINAR

2020.09.07

昨今、データ提出加算は様々な入院料の要件となっており、DPCデータ提出業務の重要性が増しています。

そのような中、「データ提出業務を行える職員が1人しかいない」、「毎回遅くまで残業して提出対応している」という病院も多く、属人化によるリスクや働き方改革対応への不安を抱えています。

本セミナーでは、DPCデータの基礎や、チェックソフトのエラーを効率的に修正する方法、2020年度診療報酬改定の内容をご紹介し、データ提出業務を担える人材の育成をご支援します。

セミナー内容

【DPCデータ基礎編】
DPCデータの内容と作り方/2020年度診療報酬改定での変更点/Kファイルとは?/様式1ファイル作成時の時短方法/質疑応答

【形式チェック編】
形式チェックとは?/単体エラーと相関エラーの違い/各エラーの解釈と修正方法/データ提出時の注意点/質疑応答

セミナーの詳細は、こちらからも確認いただけます。

データ提出加算とは? 様式1データ作成編①

COLUMN

2020.09.02

データ提出加算が要件化された入院料は拡大を続け、2020年度の診療報酬改定では、許可病床200床未満の療養病棟入院基本料等の病院までひろがりを見せています。

今回のコラムでは、データ提出加算に必要な「様式1データの作成」にフォーカスを当て解説をします。

前回のおさらい

「概要編」では、データ提出加算の要件化入院料や届出までの流れを解説しました。これから届出を検討される施設は流れをご確認頂ければと思います。
「概要編」はこちら

「DPCデータ提出編」では、DPCデータの作成から提出までの流れを紹介しました。提出時の注意事項等について、担当者の方はご確認頂ければと思います。
「DPCデータ提出編」はこちら

病棟グループ

様式1データは病棟グループという単位ごとに作成します。
病棟グループは、「一般病棟グループ」・「精神病棟グループ」・「その他病棟グループ」の3つの種類で構成されます。
各グループに含まれる入院基本料等は下記の通りです。

一般病棟グループ
一般病棟入院基本料
特定機能病院入院基本料(一般)
新生児特定集中治療室管理料
小児入院医療管理料
短期滞在手術等基本料(2、3のみ) etc.

精神病棟グループ
精神病棟入院基本料
特定機能病院入院基本料(精神)
精神科救急入院料 etc.

その他病棟グループ
療養病棟入院基本料
回復期リハビリテーション病棟入院料
地域包括ケア病棟入院料(地域包括ケア入院医療管理料を含む)
認知症治療病棟入院料 etc.

親様式/子様式

様式1には「親様式」と「子様式」という概念があります。
下のイメージのように、病棟グループ間で転棟が発生した場合、病棟グループ単位での様式1(=子様式)と一入院単位での様式1(=親様式)が必要になります。

“療養病棟から精神療養病棟への転棟”のように、先ほどの「病棟グループ」でご紹介したうちの同一病棟グループ間の転棟の場合は、様式1データ上では転棟扱いにならないので、ご注意ください。
また、ケアミックス型の病院で転棟の頻度が多い場合は、複数の様式1データを作成・提出する必要がありますので、ご注意ください。

7日以内の再入院の症例で作成する様式1データ

一般病棟グループ間で7日以内に再入院した症例において、下記の条件のいずれかに合致した場合は、「一連の再入院の際に作成する様式1」も作成する必要があります。(ただし、予定された再入院で、かつ再入院時に悪性腫瘍患者に係る化学療法を実施する場合は、一連の入院とはみなさない)

前回入院の「医療資源を最も投入した傷病名」と今回入院の「入院の契機となった傷病名」から決定される診断群分類番号(14桁)の上2桁(主要診断群(MDC))が前回入院と今回入院で一致した場合
前回入院の「医療資源を最も投入した傷病名」と今回入院の「医療資源を最も投入した傷病名」から決定される診断群分類番号(14桁)の上6桁が前回入院と今回入院で一致した場合
今回入院の「入院の契機となった傷病名」に、定義テーブルにおいて診断群分類毎に定める「医療資源を最も投入した傷病名」欄に掲げるICDコード以外のICDコードを選択した場合
上6桁が診断群分類「180040手術・処置等の合併症」となるICDコードを選択した場合

今回は様式1データの中でも病棟グループや親様式等の作成単位に関連する内容について解説しました。

次回は病名選定にフォーカスをあてた解説をします。

DPC Bakery 開発者座談会 後編
今後の展望とは?

COLUMN

2020.08.31

あえてメニューは作らない、分析メニューのない「分析ツール」

――デモの段階ですでに病院側で気付きや発見があるというのはすごいですね。オススメの機能に関する質問でしたが、今までの分析システムとは一線を画す、その意味が少しわかってきたような気がします。それにしても、パンそのものではなく、パン生地を作る、というコンセプト、そして開発に至るそもそものきっかけは何だったのでしょうか――

初めは弊社製品の様式1クリエイターユーザの皆様に、さらに役立つ新しいサービスを提供できないか、と考えていました。しかしユーザに限らず、幅広くPRRISMならではのサービスで何か提供できないだろうか、と構想は膨らんでいきます。そんな中で、PRRISMの強みでもあるDPCデータの分析関連でもっと力になれないか、と考え始めました。

――すでに多くの分析ソフトがあると思いますが、そこに懸念はなかったのでしょうか?――

もちろんありました。そこで、実際に分析ソフトを導入している病院で、日々活用しているアクティブユーザはどれくらいいるのか? と思いを巡らせてみました。そして、分析課題は病院によって異なり様々だが、既存の分析ソフトにある固定的な分析メニューは、そうした病院の課題に対して応えられているのか? という問いを立てたんです。そのため、分析ソフトの在り方から考えるようになりました。そんな時、自部署(コンサルティンググループ)の仕事で、DPCデータを分析しやすい仕様に加工した変換データ(中間データ)を使って、データ分析業務を行っていたことを思い出しました。

――コンサルティンググループで行っているレポーティングサービスですね? ――

そうです。このサービスの中でDPCデータの分析も行っているんですけど、扱いやすい中間データを作ることで、定型ではなく、様々なアプローチで自由に分析できるようになるんです。そして実はこの中間データ、一から作ろうとすると、作成するのがなかなか難しいんです。診療報酬改定のタイミングで集計定義の見直しもしないといけないですし。
そのため、これさえあれば病院の担当者はもっと自由に、そして意に沿った分析が自らできるのでは、と考えたんです。コンサルティングのサービスですと、スポット的なものになりがちですから。だから、あえて定型メニューを作らない、中間データを簡単に生成できる製品を企画することに決めたんです。それに加えもっと担当者自身で「深堀り」をしてもらいたいと考えました。定型メニューがあると現状の機能で可能な分析に留まってしまうけれど、データはいろいろな角度から切り込むことで、様々なアウトプットを得ることができるんです。これは弊社の医療経営管理支援システムにも根付くコンセプトの一つでもあります。

そうはいっても、不慣れな人がいきなり原価計算システムを活用するというのは難しい、順を追って、自然に分析スキルが身につくほうがいいのでは、という考えもありました。私たちも、病院担当者がどんな分析を求めているのか、幅広く知りたいと思っています。さらに役立つサービスとして成長させていきたいですね。そして、もっと病院でDPCデータを活用してもらいたい、「DPC Bakery」を通じて、各担当者の着実なスキルアップにつながってほしい、この想いが根幹にあります。

――実際に分析業務をしているからこその視点ですね。自由な分析が誰でも容易にできること、企画立案からコンセプト確定まで順調に開発を進めていったように見えますが、実際はどうだったのでしょうか――

企画コンセプトから、実際の製品イメージまで、開発メンバー間でブレずに共有できていたのでそこは良かったと思います。ただ、当社として新しいコンセプトだったので、社内プレゼン時は苦労しましたね(笑)。あと技術的な部分で言うと、クラウド型にするかどうかについてはいろいろな面で検討しました。

DPC Bakeryのシステム設計コンセプトでもあるのですが、「よりシンプルに、より快適に」を常に意識していました。そんな中で、新たなシステムを院内に設置するのではなく、オンライン上にDPCデータをドラッグ&ドロップするだけであれば、既存のパソコンで手軽に使ってもらえるかな、と思うようになりました。ただ、今までPRRISMの既存製品で、クラウド型の製品やサービスがなかったんです。今回は初めての取り組みとなったので、セキュリティの問題やデータ量に対する処理の問題、アップロードされたデータの取り扱い等、本当にセキュアな環境で快適な動作環境を提供できるのか、といったところは何度も、専門のメンバーを集めて議論を重ねました。無事課題をクリアしてリリースすることができましたが、今後もより一層、安全、快適にご使用いただけるよう、改良を進めていきます。

最初は現地環境へのインストール型も考えましたが、結果的にオンラインの提供が実現できて良かったです。やはり、院内にシステムを設置するとなると、場所やメンテナンス、端末の更新に合わせた本体側の更新作業等、都度の作業や費用がどうしても増えてしまいます。何より、現地設置型と比べ、お客様の費用負荷も最大限おさえることができたと思っています。

費用負荷が少なく、誰でもチャレンジできるような仕組みを考えると、最終的にはクラウド型の提供形態しかなかったですね。

何より手軽に使えるのが一番です。繰り返しになりますが今後も改良を重ね、とにかく、ユーザファーストなシステムであり続けたいと思っています。

――長く使用すればするほど、より実感しそうなポイントですね。システム構築にあたってシンプルさを追求したとのことですが、行える分析は多岐にわたりますよね? 幅広い分析が可能であるがゆえに、仕様の検証や調整も大変だったのではないでしょうか――

そうですね。アウトプットに対する精度が求められるのはもちろんですが、随時告示される疑義解釈もタイムリーに把握し調整を行う必要があるので、その点は今後も続いていきますね。

特に今年度は、重症度、医療・看護必要度の変更が多かったので、仕様調整とシステム設計を担っていたメンバーは特に大変だったと思います。

このシステムに完成という概念はない。すべては試行錯誤、共に成長する環境を育んでいきたい

――たくさんの想いを込めた「DPC Bakery」、どのような方にオススメしたいですか――

もちろん幅広く、たくさんの方々にオススメできます。先程触れてきたように、どんな病院でも扱いやすく、導入に対するハードルも低い製品に仕上がっていると思っています。
ただ実はこの製品、私の中でロールモデルがいたんです。実際にお世話になっている現場担当の方をイメージして作り上げていった側面があるんですね。その方は中規模の出来高病院で、DPCデータを活用することで病院の経営改善に役立てたいと考えていらっしゃる方でした。
このような意識を持っていらっしゃる方に「より扱いやすく、この方であれば、どのようなデータの持たせ方をするのだろうか、どのようなデータや分析項目が出せればいいのか」と、実際の現場目線をシミュレーションして作り上げられた製品でもあるんです。今のところ看護必要度、疾病統計がメインですが、例えば収益を軸に、経営的な視点で分析したいと考えを持っている人にもどんどん使ってもらいたいですね。使用される中での分析項目の要望はいつでも、ご意見いただきたいと思っています。

本当、ご要望はどんどんいただきたいですね。表計算ソフトの操作をはじめ、アウトプットのイメージもご自身で模索できる分、ボタン一つで画面に答えが出てくるよりは、ご意見やご要望が出てきやすいと思います。「ここを楽にしてほしい」、「こんなデータも入れられたらいいな」。といったご意見、お待ちしています! そしてたくさんのお声を聞かせていただきながら、より現場のニーズに合ったものを作っていきたいです。

ウェブユーザ会とか開催したいですね。

ほんと、やりたいですね! 各ユーザの活用事例なんかも今後、皆さんで共有していく場があるといいですね。

病院同士で様々な学びが得られるのでは、と期待しています。DPC Bakeryの輪を広げていきたいですね。

――幅広い分析が可能だからこそ、院内スタッフ皆さんにオススメできるんですね。すでに使用されている方々、これから検討をされる方々に向けて、「DPC Bakery」の今後の展望を聞かせてください――

展望ですが、まず「完成・ゴール」という概念がこのシステムには当てはまらないと思っているんです。ちょっとイメージしづらいかもしれないんですが、DPC Bakeryはユーザも私たちも参加している共同プロジェクト、その総称、仕組みそのものだと思っているんです。DPC Bakery、これに付随するサポート、レシピ集、今後のセミナー企画等含めすべてはこのプロジェクトの「部分」なんです。完成がないからこそ試行錯誤しながら、この共同プロジェクトを通じて、共に成長する環境を育んでいきたい。

僕も同じ。もっと言うと病院とPRRISMだけではなく、この業界と共に成長をさせていきたいです。

各個人だけではなく、「病院組織」の成長という観点でも、お役に立てると思います。というのも、DPCデータの分析は多職種にわたって活用可能なので医師、看護師、事務長、診療情報管理室、医事課等、病院運営に貢献できないかと試行錯誤されているすべての方々に有益なものです。今までどのように関与していいかわからなかった方でも、DPC Bakeryを、DPCデータという共通言語を用いた部門間のコミュニケーションツールとして活用いただけるようになると嬉しいですね。

PRRISMの新しい挑戦―DPCデータで病院経営に貢献したいと考える方へ―

――「パンではなくパン生地を作る」…どんなパンを作るか、その作り手にゆだねられているからこそ、完成はなく、これからも共に成長できる製品なんですね。企画から開発に至るまで様々なお話をしてもらいました。最後にこちらをご覧になっている皆様に、メッセージをお願いします――

繰り返しになりますが、現状の製品仕様に留まらず、様々な用途に応えられるようバージョンアップをしていきたいと思います。ぜひ使用していただいて、お声を聞かせていただきたいと思います。

先程の「病院組織の成長」とも重なりますが、DPC Bakeryを用いて、多職種間での院内コミュニケーションにつながればと強く思っています。データを通して、各人が対話できるようになればいいなと。また、分析担当者の分析・集計・プレゼンスキルを磨いていただく中で、同時に事務作業全般の効率化につなげてもらいたいと願っています。DPC Bakeryは、業務負荷軽減という作業効率化から、病院運営に係る経営分析に至るまで、分析担当者が無理なくステップアップできるツールだと思っています。ぜひお試しいただければ!

「DPC Bakery」はPRRISMの新しい挑戦です。この挑戦を通して、医療機関の皆様に進化したPRRISMを提示できればと思っています。自信はあります。また、私たちとしても想定していなかった「DPC Bakery」の使い方を知りたいと思っていますので、ぜひ、皆さんの柔軟なアイデアをどんどんぶつけてもらいたいですね!

 

――その意味では、皆さんからの「PRRISMへの挑戦」でもありますね。無限の可能性を持っている「DPC Bakery」、今後の展開に期待しています! 本日はありがとうございました――

 

※記事の内容は、取材当時の内容に基づきます