株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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コラム

専門看護師、認定看護師と診療報酬の関係

COLUMN

2020.09.23

1995年に始まった専門看護師・認定看護師制度は、現在その役割と活動が認められ、診療報酬における様々な施設基準や算定要件に配置が定められています。2019年12月時点で、日本看護協会に登録されている専門看護師は13分野2,519名、認定看護師は21分野20,960名にのぼり、患者支援のみならずスタッフ教育やチーム医療の中核を担っています。

専門看護師・認定看護師の関わる診療報酬を以下に示します。

これらの診療報酬からもわかるように、チームの設置なども要件にあり、看護師のみならず、医師、薬剤師・栄養士・セラピスト・検査技師など医療専門職者の役割が認められ、多角的でより高度な医療技術の提供が求められていることがうかがえます。

病院にとって、専門看護師・認定看護師を育成し活用することは、医療・看護サービスの質向上や自院の得意とする分野の強化に繋がります。

今や病院も選ばれる時代です。医師と同様に専門的な知識とスキルで外来から入院・退院後まで支援し、地域連携にも力を注いでくれる専門・認定看護師の存在は、患者にとって病院を選ぶ特別な理由となり得ます。実際、専門・認定看護師のもとには、多くの患者が頼って来院されています。

認定看護師については、現行の認定21分野についての教育課程が2026年度に終了し、特定行為に係る看護師研修を組み合わせた新たな認定19分野についての教育課程が2020年度から開始されます。特定行為に係る看護師の研修制度を修了した看護師も増え、ますます各施設の専門性や独自性は高まっていきます。診療報酬制度の改定や新設を契機に、さらなるチーム医療の充実と患者サポートの向上が期待されます。