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2023.07.07
株式会社健康保険医療情報総合研究所
Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)
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2022.02.07
重症度、医療・看護必要度は、各入院料や加算ごとに重症度割合の施設基準値が設定されています。「急性期一般入院料を変更したい」、「新規加算の届出をしたい」といった場合のために、重症度、医療・看護必要度の重症度割合に係る基準値の把握は必要です。
また、診療報酬改定ごとに重症度割合の施設基準値や重症患者とされる判定基準の項目が変更されてきました。
令和4年度診療報酬改定では急性期一般入院料の重症度割合の基準値が許可病床数によって区別されるようになりました。また、判定基準の「心電図モニターの管理」が削除され、「点滴ライン同時3本以上の管理」が「注射薬剤3種類以上の管理」に変更されたことなど、大きな変化が起こりました。令和4年度診療報酬改定でどのように変更がされたのか情報の1つとしてお役立てください!
重症度、医療・看護必要度は、評価項目ごとに点数の配分が異なります。例えば、A項目の各項目は1点または2点と点数配分が異なります。ここでは、評価項目を評価した場合に、重症度、医療・看護必要度として何点となるかについてご紹介します。コラム3でどのような評価項目があるのかもご紹介していますので、合わせてご活用ください。
(看護必要度(一般病棟用)の手引きはこちら(238~302頁)別紙7【令和4年度版】)
「A項目:モニタリング及び処置等」では、A1~A4までを1点、A5~A7を2点で評価します。「A5:輸血や血液製剤の管理」は令和4年度の改定で2点に変更されました。「A1:創傷処置」①②と「A6:専門的な治療・処置」①~⑪の項目では、どれかの項目に該当した場合に得点となります。
また、「A7:救急搬送後の入院」では、入院当日を含めた5日間を評価することが可能です。そして、「A3:注射薬剤3種類以上の管理」は薬剤の種類すうから除外する薬剤もあるので注意が必要です。(除外となる対象薬剤のレセプト電算コードはこちら(279~302頁)【令和4年度版】)
なお、重症度、医療・看護必要度Ⅱではすべての項目をレセプト電算コードから評価しますが、重症度、医療・看護必要度Ⅰでも「A7:専門的な治療・処置」①~④、⑥~⑨では使用薬剤の状況をレセプト電算コードから評価する必要があります。
(レセプト電算コードの評価方法については、コラム4へ)
「B項目:患者の状況等」では、患者の介助状況や意識レベルなどの状況を評価します。患者の意識レベルや介助状況によって、0~2点の得点となります。「B10:移乗」、「B11:口腔清潔」、「B12:食事摂取」、「B13:衣服の着脱」の場合は、当日に介助を実施したかどうかにより得点となります。
「C項目:手術等の医学的状況」では、該当手術や検査により得点されます。各項目によって、手術当日から得点可能な日数が定められています。C項目はすべての項目において重症度、医療・看護必要度ⅠとⅡともに、レセプト電算コードによる評価が必要です。
(レセプト電算コードの評価方法については、コラム4へ)
各患者のABC項目それぞれのスコアリングが、重症度、医療・看護必要度の各判定基準を満たすかどうかで基準該当患者割合が変化します。この判定基準も診療報酬改定で変更されることがあるので最新情報は取得しておきましょう。
具体的な判定基準【令和4年度版】
令和4年度診療報酬改定における判定基準は以下の3種類です。
(基準①)A項目3点以上
(基準②)A項目2点以上 かつ B項目3点以上
(基準③)C項目1点以上
各病棟でどの判定基準に該当する患者が多い傾向にあるのかを把握することで、どのような病態・疾患の患者が減少すると基準該当割合の減少へ影響しやすいなどの情報を把握することが可能です。
重症度、医療・看護必要度における基準該当患者割合は、
基準該当延べ患者数 ÷ 評価対象延べ患者数
によって算出することができます。(評価対象患者については、コラム5へ)
基準該当患者割合の算出期間は、算出したい月の前3カ月で算出します。
7月の基準該当患者割合(4月~6月で算出)
(22+30+23)÷(90+70+92)=29.8%
8月の基準該当患者割合(5月~7月で算出)
(30+23+32)÷(70+92+85)=34.4%
基準該当患者割合は対象入院料全体で算出しますが、病棟ごとに細かく算出することで、どの病棟で基準該当患者割合が低くなると施設基準が満たしにくくなる、といった予想が可能となります。
先ほど算出した基準該当患者割合は入院料や入院料加算ごとに基準値が異なります。この基準値は診療報酬改定ごとに変更されることがありますので、最新情報を取得して自院の基準該当患者割合が最新の施設基準値を満たすかどうかをチェックしておきましょう。看護必要度Ⅰと看護必要度Ⅱで基準値は異なる点も把握しておく必要があります。
参考として、令和4年度における入院料・加算ごとの基準該当患者割合を掲載します。
重症度、医療・看護必要度の重症度割合は季節変動などの入院患者動向によって大きく変動し得ます。評価基準や算出方法を正しく用い、自院の基準該当患者割合の傾向を把握しましょう。
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その他、重症度、医療・看護必要度の知りたい内容については、下記コラム(全8回)をぜひご覧ください。
コラム1:重症度、医療・看護必要度とは?
コラム2:重症度、医療・看護必要度は何のため?
コラム3:重症度、医療・看護必要度は何を評価する?
コラム4:重症度、医療・看護必要度ⅠとⅡの違いは?
コラム5:重症度、医療・看護必要度はいつ評価する?
コラム6:重症度、医療・看護必要度は何点必要?何割必要? ※当ページ
コラム7:重症度、医療・看護必要度はどう変わってきた?
コラム8:病院全体で取り組む重症度、医療・看護必要度の精度向上