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在宅医療を支える診療報酬

COLUMN

2020.10.07

1970年代に病院サービスの一環であった「訪問看護」は、1983年の老人保健法の施行後、法整備とともに訪問看護ステーションが誕生し、現在では在宅医療の推進のため、さらなる拡充が望まれています。

2025年における75歳以上の高齢者の人口は、日本における全人口の18.1%を占め、2055年には26.1%に増加することが推計されており、独居世帯や高齢者世帯も増加傾向にあります。

このような現況から、在宅医療を診療報酬で支え推進を図っていますが、訪問看護ステーションなどまだまだ足りていないのが現状です。

地域連携と在宅療養支援の強化のために、医療機関の医療従事者が退院後を支援できるような診療報酬も整備されていますので、ここで整理したいと思います。

診療報酬項目点数該当する職種
退院前訪問指導料580点 (1回/入院につき)
*ただし入院後14日以内の早期訪問実施の場合、退院時を含め2回分算定可能。
保健師、看護師、理学療法士、作業療法士
退院後訪問指導料580点 (5回/退院後1か月以内) *訪問看護ステーションなどと同行した場合、1回に限り20点加算できる。看護師
退院時共同指導料2400点 (入院中1回)医師、看護師、理学療法士、作業療法士
退院時リハビリテーション指導300点 (退院日に1回) *退院時共同指導料2は同時に算定不可 
精神科退院時共同指導料700点多職種チーム

令和元年の報告では、「退院前訪問指導料」:約22~24%、「退院後訪問指導料」:1~6%の算定状況でした。

実際に退院前訪問指導料を算定している病院では、退院前訪問を行ったことで、「入院前の生活を知ることができた」、「強く自宅退院を希望されていたけれど、自宅の様子からは退院後のサポートが必要なことがわかり、退院に向けてスムーズに地域との連携を図ることができた」との声が聞かれています。

また、退院後訪問指導では、「退院に不安が強く、家族も含め躊躇するケースであったが、退院後訪問を提案したことで安心して退院することができた」、「人工肛門造設後で、費用負担の点から訪問看護のサポートを多く受けられないケースでは、訪問看護と連携して退院後訪問を組み込んだことで、安心して自宅退院していただけた」などの声が聞かれています。

今後も医療機関からの積極的な支援の活用が望まれるところです。

また、退院時共同指導では連携先の施設も診療報酬の算定が可能となります。退院時共同指導は連携先の施設と患者が退院後の生活をイメージし、困ったときの対応について医療機関側に再確認することができます。患者は安心して退院に臨むことができ、医療機関と支援する施設も、互いに顔を合わせることでその後の連携強化につなげることができます。

在院日数の短縮が進み、退院支援の難しさが増すところではありますが、入退院支援加算があるように、早期から住み慣れた地域での療養や生活を継続するためのサポートは、診療報酬上でも高く評価されています。今後も診療報酬制度をきっかけに、さらなる患者サポートの充実が図られていくと思われます。