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株式会社健康保険医療情報総合研究所
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2020.09.09
DPC制度では、診断群分類ごとに入院1日あたりの点数が決められており、その点数をもとに請求金額が決定されます。
今回は「診断群分類(DPCコード)」にフォーカスを当てた一言コラムです。
診断群分類は、「DPCコード」や「DPC14桁」、「DPC」とさまざまな呼ばれ方をします。(このコラムでは「診断群分類」で統一します)
診断群分類は14桁のコードで構成されており、それぞれの桁に意味を持っています。
2020年4月時点で3,990の診断群分類が存在しています。
例えば、大腿骨頸部骨折で人工骨頭置換術をした診断群分類であれば、下記のようなイメージになります。
MDC・分類コード:医療資源を最も投入した傷病名に対応するコード、DPC6桁ともいいます
年齢・体重・JCS条件等:診断群分類によっては、年齢や出生時体重や意識障害の度合い等で分岐があります
手術等サブ分類:診断群分類によって、手術等に応じたコードが決まっています。手術をしていない場合は「99」を表示します
副傷病名、重症度等:医療資源投入量に影響する入院時併存症・入院後発症疾患・重症度の有無で表します
MDC(主要診断群)は下記の18の分類に分けられます。
MDC01 神経系疾患
MDC02 眼科系疾患
MDC03 耳鼻咽喉科系疾患
MDC04 呼吸器系疾患
MDC05 循環器系疾患
MDC06 消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
MDC07 筋骨格系疾患
MDC08 皮膚・皮下組織の疾患
MDC09 乳房の疾患
MDC10 内分泌・栄養・代謝に関する疾患
MDC11 腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
MDC12 女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩
MDC13 血液・造血器・免疫臓器の疾患
MDC14 新生児疾患、先天性奇形
MDC15 小児疾患
MDC16 外傷・熱傷・中毒
MDC17 精神疾患
MDC18 その他
さらに、分類コードまで含めると、502種類になります(2020年4月時点)。
診断群分類ごとに入院1日ごとの点数が決められています。
例えば、大腿骨頸部骨折であれば、上記のような3つの診断群分類に分かれています。(2020年4月時点)
入院1日ごとの点数は入院期間によって逓減する仕組みになっています。(点数の設定方法は診断群分類の特性に合わせて4種類の方式が存在します)
「160800xx99xxxx」であれば、入院期間①では2,971点ですが、入院期間②では1,857点となり、約1,100点の開きが生じています。
入院期間の日数や点数については、診療報酬改定の度に見直されています。
下図は一般的な診断群分類における点数の設定方法のイメージです。
図のように、入院期間が①から②に移る日(第Ⅰ日)を境に、1日あたりの点数が下がります。
入院期間①の1日あたりの点数が、1日あたりの医療資源平均投入量よりも高く設定されているので、早期退院を促すインセンティブが働きます。