株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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データ提出加算とは? DPCデータ提出編

COLUMN

2020.08.26

データ提出加算が要件化された入院料は拡大を続け、2020年度の診療報酬改定では、許可病床200床未満の療養病棟入院基本料等の病院までひろがりを見せています。

今回のコラムでは、「DPCデータ提出」にフォーカスを当て解説をします。

前回のおさらい

「概要編」では、データ提出加算の要件化入院料や届出までの流れを解説しました。これから届出を検討される施設は流れをご確認頂ければと思います。
「概要編」はこちら

DPCデータの提出までの流れ

大まかに次の4つのステップでDPCデータの作成・提出を行います。
① 各システムでDPCデータの対象ファイル(様式1、EFファイル等)を作成
② 対象ファイルの出力および匿名化
③ 対象ファイルの形式チェック・提出データの完成
④ 提出データの送付



① 各システムでDPCデータの対象ファイル(様式1、EFファイル等)を作成
DPCデータの対象となるファイルは多岐にわたります。
それぞれのファイルを各システムで作成してください。
なお、各システムで作成できない様式3に関してはDPC調査事務局のホームページよりファイルをダウンロードしてください。

② 対象ファイルの出力および匿名化
各システムから対象ファイルを出力してください。
EFファイルはシステムによっては、EファイルとFファイルを別途出力し、統合する必要があるので、ご注意ください。(統合用のツールはDPC調査事務局のホームページよりダウンロードできます)
なお、IDの匿名化を忘れないようにご注意ください。

③ 対象ファイルの形式チェック・提出データの完成
DPC調査事務局より提供される形式チェックプログラムに提出データを読み込ませ、提出用のデータを完成させます。
形式チェックをかけるとデータのエラーが抽出され、そのエラーを修正しないと提出用データが完成できません。
余裕を持ったデータ作成・形式チェックをおすすめします。

④ 提出データの送付
配送あるいはオンラインでデータを提出します。(試行データは配送のみ)
配送方法等に指定があるのでご注意ください。

※ 2020年度のDPCデータ提出より、EFファイル統合ツール・形式チェックプログラム・Kファイル作成ツールが1つのソフトに統一されています

データ提出のスケジュール

DPCデータは3か月分をまとめて提出することになります(3か月ごと年4回)。
※ 試行データは2か月分

また、一度提出したデータに対して、再確認依頼の対応も年4回発生し、合計で年間8回のデータ提出が求められます。(詳細については、概要編の「データ提出加算の流れ」をご確認ください)

データ提出の際に気をつけたいこと

データ提出加算は一加算ではありますが、年度内で全8回のうち累計3回遅延等をすると届出自体が取り下げとなり、データ提出加算を要件とする入院基本料も算定できなくなってしまいます。
確実にデータを作成・提出するために以下のような対応をご検討ください。
データ提出の一連の業務に対応できる人材を複数名育成する
  対応できる人材が1名だと、異動や退職時に安定してデータが作れなくなってしまうリスクがあります。
データ提出加算の意味・目的を院内で共有する
  DPCデータ(特に様式1)は、一部署だけで作成するのが難しく他部署との連携が必要になります。
  各部署の関係者に対し、「データ提出加算は入院基本料の維持・変更のために必要不可欠な加算である」、「データ提出の遅延等を起こすと加算の算定に悪影響がでる」といった情報を周知させることをおすすめします。

次回は、様式1作成に焦点を当てた解説をします。