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コンサルタントに訊く!病院経営のいろは🏥
第1回 DPCデータと経営管理

COLUMN

2020.06.12

本シリーズは、コンサルタントから病院経営の基本を学ぶ物語です。 皆さんも一緒にコンサルタントの知見や視点を吸収しましょう!

DPCデータと経営管理はどのような関係があるのですか?

医療機関の経営を取り巻く環境は、高齢化などを見据えた地域医療体制構築や地域包括ケアシステムの推進などを目的として現在大きく変わりつつあることはご存知ですね。この環境の変化に対して、それぞれの医療機関は「地域における役割分担」と「医療の質の確保」に向けて収益性を高めなければなりません。

医療の質向上及びその質の評価と診療内容の可視化と標準化などを目的に2003年(平成15年)4月からDPC包括請求制度が導入されました。DPCデータの作成が開始されたのも同時期です。

DPCデータを活用した経営管理への取組みは現在多くのDPC病院で実践されています。昨今では、DPCデータを作成及び提出している医療機関も増加しており、出来高請求病院においても、経営のマネジメントツールとして経営管理に活用できるようになりました。

DPCデータがもたらした経営管理上の最大のプラス影響は、経営管理単位を診療科単位から症例単位まで落とし込めるようにした点です。DPCデータ導入以前は収益や患者数、平均在院日数を把握する際、診療科別を管理の単位として用いるのが一般的でした。それがDPCデータを活用することでDPC別(疾患・主要診療行為別)に、しかも症例別まで細かく落とし込めるようになったのです。

 

DPCデータにはいろいろな種類のファイルがあると聞きました。具体的にはどのデータ(ファイル)を使えば良いのでしょうか?データと経営管理はどのような関係があるのですか?

まず、退院症例をベースとして患者数や平均在院日数を把握する際は様式1ファイルを使用します。様式1ファイルには「予定入院/救急入院」や「救急搬送あり/なし」、「紹介あり/なし」といった入院の経路に関する情報が掲載されているため、入院ルートの分析に活用できます。

また、収入関連の分析をする際は、DPC請求病院であればDファイル、出来高請求病院であればEFファイルを使用します。特にEFファイルは収入計算だけでなく、診療プロセスの可視化にも活用できるため、クリニカルパスの適応率や一般病棟から地域包括ケア病棟への転棟タイミングの検証なども可能です。

さらに、マーケティングの視点では、全国統一の形式で提出されるDPCデータの公表値も非常に有益なデータです。自院の地域における役割を明確にするにあたっては、地域における医療需要や自院の患者シェア率の現状把握が重要となりますが、本データを活用することでそれらが可能になります。

病院の経営戦略を策定する際は、診療科別・部門別の業績評価に留まらず、現行の診療プロセスや外部環境の詳細な分析が必要です。そのような詳細な分析によって、強化・改善すべき診療機能と診療領域が明確になり、利益確保に向けたきめ細かな戦略策定と実行が可能となるのです。

その分析をする際にDPCデータは非常に有益です。具体的な活用事例は第2回以降で紹介します。