株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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コラム

病院経営に携わる方へお伝えしたいこと

COLUMN

2020.06.11

病院経営のパラダイムシフト

医療制度、医療提供体制は2025年に向けて大きな改革の中にあり、病院の経営者の方々は以下に示す経営環境のパラダイムシフトへの対応を迫られています。


自院の中長期的医療提供構造のビジョン・計画を描き、届け出ること、その計画を遂行することが求められる

従来のような独自の意図や裁量に基づく医療機能や人・設備等資源投資に係る計画ではなく、国と県レベルの医療提供体制の構想のもと、地域医療連携ネットワークの中での自院の役割に基づく計画づくりが求められる

国と県のPDCAと連動するように、毎年継続的に自院計画の評価とPDCAを回すことが求められる

院内マネジメントの革新ニーズ

このような中で、病院マネジメント方法(管理手法)も以下のような革新が求められていると言えます。

診療報酬改定に追従していれば病院経営が維持・拡大できる時代は過去のものとなり、中長期的な計画に基づくPDCAを基本とした、真の自主性と自律性のあるマネジメントの確立

自院のデータと公表値データによる定量的な分析と予測によるPDCAの確立

中長期経営計画(経営戦略)と年度事業計画、及び診療部門の改善活動が一貫性を持って統合されたマネジメントの確立

不特定多数病院との比較や、包括-出来高差額の改善活動などから脱却し、損益(収入-原価)に基づいたマネジメントの確立

新しいマネジメントを確立する際の難所

ただし、このような科学的経営管理といえる新しいマネジメントを確立する際に、次のような多くの課題に直面し、思ったような成果を出すことができない病院様が少なくありません。

医師等診療部門が納得する原価計算が定着できない

診療部門を含む部署別のPDCAがスタートできない(特に部署別計画がエビデンスに基づいていない)

現在の環境分析(マーケット分析を含めて)と予測などのデータ分析スキル(を持ったスタッフ)が不足している

一貫性と統合されたビジョン~年度事業計画への具体化ができない

我々が提供するソリューション

医療経営管理支援システム(エルフ・ヒポクラテス)は、高い精度と多様な損益分析機能を基盤として、院内でのPDCAを支援するシステムです。経営のPDCAから日常の診療活動のPDCAまで幅広いPDCAをサポートできるように、アウトカム面からの分析機能に加えて、シミュレーション機能、計画立案支援機能、月次集計と通期集計(DPC別分析など)との両立、プロセス分析機能など、変革期における病院マネジメントの強化・確立をサポートできるシステムです。

これからの病院経営では、いかに診療部門が主体性を持って経営に参画できるマネジメントを院内に作り上げることができるかが重要な経営課題となります。各診療科だけではなく、看護部門やコメディカル部門を含めた全部署が、それぞれの管理可能な範囲(責任範囲)の損益管理のPDCAを回すことがこの経営課題の解決策であります。その支援機能として、エルフ・ヒポクラテスでは、経理主体の(月次)損益計算(財務会計)と整合性のとれた全部原価計算に加えて、部署別(科別)損益管理のための指標である貢献利益計算用に直接原価計算方式の2つの損益計算方式を実装しています。

診療部門が原価数値や各種指標に納得し主体性を持って経営に参画する、診療部門参加型の科学的マネジメントを院内に構築していただく上でも、是非、経営者の方々、経営企画に関わる方々には、エルフ・ヒポクラテスを実際にご覧いただいて、本システムの有効性を実感していただけますと幸いです。