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2023.10.27
令和4年度の診療報酬改定で話題になった「リフィル処方箋」ですが、どのようなものかご存じでしょうか?
本コラムでは自院の外来診療機能の見直しを検討されているご担当者さま向けに、リフィル処方の基礎知識や実務上の注意点などおさらいしつつ、外来診療機能の見直しにリフィル処方をどう活かしていくかについて、全5回に分けて解説していきます。
第1回はリフィル処方箋の概要として、下記の3点について見ていきたいと思います。
・リフィル処方箋とは?通常の処方箋と何が違う?
・いつから、なぜ導入された?
・どのくらい普及している?
■リフィル処方箋とは?通常の処方箋とは何が違う?
まず、リフィル処方箋の概要から確認していきましょう。
「リフィル」とは、「詰め替え、補充する」という意味があります。つまり、リフィル処方箋を簡単に説明すると、「処方薬がなくなった際に補充分をもらう処方箋」です。
リフィル処方箋には「医師の診察を受けなくても、補充分の処方を受けられる」という特徴があります。リフィル処方箋が利用されると、薬をもらうためだけに受診する回数が少なくなり、患者さんにとっては通院にかかる時間や経済的な負担が減るともされています(図A)。
■いつから、なぜ導入された?
リフィル処方箋は、令和4年度の診療報酬改定において導入されました。「症状が安定している患者について、医師の処方により、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できる」仕組みで、再診の効率化による医療費削減を目的とした、実効的な方策として期待されています。
■どれくらい普及している?
前述の通り令和4年度と近年導入されたリフィル処方箋ですが、皆さんの病院ではどの程度活用されているでしょうか。
日本保険薬局協会による調査によると、処方箋に占めるリフィル処方の応需割合は0.1%にとどまっているようです(2022年10月単月の調査結果)。なお同調査によると、リフィル応需の体制が整っていると回答した薬局は92.4%もあり、リフィル処方箋の普及が進まないのは処方箋を発行する医療機関側に課題があることがうかがえます。
一方、リフィル処方箋を積極的に活用する病院もあるようです。機能分化の観点からリフィル処方箋への移行に積極的に取り組み、院外処方箋全体の3割超を占めるほどにリフィル処方箋を活用している大学病院も存在するといわれています。
制度導入時に想定された普及度合いに比べて普及が低調に推移しているともされ、令和6年度の診療報酬改定でリフィル処方箋がどのように評価されるのか注目されています。
以上、第1回はリフィル処方箋の概要について解説しました。次回はリフィル処方箋のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
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