株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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コラム

データ提出加算とは? 様式1データ作成編②

COLUMN

2020.09.09

データ提出加算が要件化される入院料は拡大を続け、2020年度改定では許可病床200床未満の療養病棟入院基本料等の病院までの拡がりを見せています。

今回のコラムでは、前回に引き続き、データ提出加算に必要な「様式1作成」にフォーカスを当て解説をします。

前回のおさらい

「概要編」では、データ提出加算の要件化入院料や届出までの流れを解説しました。これから届出を検討される施設は流れをご確認頂ければと思います。
「概要編」はこちら

「DPCデータ提出編」では、DPCデータの作成から提出までの流れを紹介しました。提出時の注意事項等について、担当者の方はご確認頂ければと思います。
「DPCデータ提出編」はこちら

「様式1データ作成編①」では、様式1データ作成に必要な、病棟グループの分け方や親様式/子様式の考え方について解説しました。
「様式1データ作成編①」はこちら

病名の選択

様式1データでは入力時に何度か病名を選択する必要があります。病名を選択する必要があるのは以下のような傷病についてです。
医事課等の入力担当者では判別不可能な場合があるので、医師等の協力によって病名を共有する仕組みを構築する必要があります。

主傷病(1つ)
医師が医学的判断に基づき決定した傷病名

入院の契機となった傷病名(1つ)
今回入院し治療する必要があると判断する根拠となった傷病名

医療資源を最も投入した傷病名
入院期間中、最も医療資源(ヒト・モノ・カネ)を投入した傷病名

入院時併存症(最大10個)
入院時発症疾患(最大10個)

また、病名を選択する際は、
併存症を含めて、病名のコーディングは全桁コーディングが必要
医療資源を最も投入した傷病名には、使用できないICD10コードが存在
医療資源を最も投入した傷病名には、部位不明・詳細不明コードの使用は控える(使用不可ではありません)
等、注意すべき事項があります。

重症度の選択

様式1データでは、選択した病名に応じて重症度の分類を入力する必要があります。
下記に病名と重症度の例(一部)をお示しします。

肺炎
15歳以上で、医療資源を最も投入した傷病名が「インフルエンザ・ウイルス性肺炎・肺炎」の場合

脳卒中
医療資源を最も投入した傷病名が「くも膜下出血・破裂性脳動脈瘤・非外傷性頭蓋内血腫・非外傷性硬膜下血腫・脳梗塞・一過性脳虚血発作・脳卒中の続発症・脳血管障害」の場合

がん
医療資源を最も投入した傷病名が「悪性腫瘍」の場合