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看護師として押さえたい令和4年度診療報酬改定のポイント(第2回) 新設された下肢創傷処置料と下肢創傷処置管理料とは?

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2022.04.13

令和4年度診療報酬改定で、下肢創傷処置と下肢創傷処置管理料が新設されたことをご存じでしょうか? これらは、下肢潰瘍の状態に応じた適切な処置及びその管理を推進する観点から新設されたものです。

下肢創傷処置と下肢創傷処置管理料はどのようなもの?

下肢創傷に関連する疾患は糖尿病や末梢動脈疾患などさまざまあり、下肢創傷に係る処置や管理は、皮膚科、形成外科、整形外科などのいくつかの診療科で実施されます。特にフットケア外来や下肢疾患センター等を有する施設様では、予防のみならず創傷処置を必要とする患者さんが少なくありません。

また、すでに下肢疾患に関わる治療及び管理を実施されている施設様にとっては、下肢創傷処置料及び下肢創傷処置管理料はこれまで提供してきた医療の評価であり、今後さらにより良い体制を整えるきっかけとなると考えます。

そのため、下肢創傷処置料及び下肢創傷処置管理料については、関係する診療科の医師や医療事務スタッフ、ケアに従事する皆様にぜひご周知いただきたい項目の一つとなります。

下肢創傷処置の算定基準は?

下肢創傷処置については、施設基準はなく入院(DPC請求病院以外)及び外来で算定が可能※1です。重度褥瘡、熱傷以外の創傷において、下肢創傷の部位及び潰瘍の深さが算定要件に該当すれば(図1)下肢創傷処置での算定が可能※2,3です。

図1 下肢創傷処置に係る部位と潰瘍の深さ及び算定可能な点数

「下肢創傷処置」については、例えば創傷処置の100平方センチメートル未満(52点)と比較しても下肢創傷処置(135点~)は高い評価となっています。下肢の創傷処置が実施された場合には、医師に確認しながら適切に算定できるようにしましょう。

下肢創傷処置管理料の算定基準は?

下肢創傷処置管理料(500点:月1回に限り)は、下肢の潰瘍に対し継続的な管理を必要とする患者に対し、下肢創傷処置と併せて専門的な管理を行った場合に算定することができます。

ただし、以下の施設基準を満たす必要があります。

[施設基準]
整形外科、形成外科、皮膚科、心臓血管外科又は循環器内科の診療に従事した経験を5年以上有し、下肢創傷処置に関する適切な研修を修了している常勤の医師が1名以上勤務していること。

下肢創傷処置に関する適切な研修とは、一般社団法人日本フットケア・足病医学会「日本フットケア足病医学会認定師 講習会」のうち「Ver.2」が該当します※4。研修内容につきましては、学会のホームページで昨年度の講習会のプログラムが公開されています(令和4年4月5日現在)。

糖尿病に伴う潰瘍、虚血性潰瘍や膠原病に伴う潰瘍などにおいては、治療が長期間にわたる場合や繰り返し潰瘍を生じる場合など、継続的な管理を必要とします。実際の診療において、医師は病状説明のみならず、セルフケア指導や生活指導、医学的管理などこれまでも実施されていることと思います。

ぜひ、施設基準を今一度ご確認いただき、提供する医療が適切に評価される体制を整えられることをお勧めします。

まとめ

■下肢創傷処置は施設基準はなく、算定要件である下肢創傷の部位及び深さが該当すれば、入院(DPC請求病院以外)及び外来で算定が可能である。

■下肢創傷処置管理料は、5年以上診療に従事した経験を持ち適切な研修を修了した、常勤の医師1名以上の勤務があれば、算定可能である。

おわりに

今回、下肢創傷処置と下肢創傷管理料についてご紹介しました。

新設とは言うものの、従来から実施してきた下肢の創傷処置や管理ですので、算定漏れや算定間違いを回避するためにも、ぜひ、医療スタッフの皆様に周知いただく際に本コラムをご活用ください。


※1 複数の下肢創傷がある場合は主たるもののみ算定されます。
※2 下肢創傷処置を算定する場合は、区分番号「J000」創傷処置、区分番号「J001-7」爪甲除去(麻酔を要しないもの)及び区分番号「J001-8」穿刺排膿後薬液注入は併せて算定できません。
※3 軟膏の塗布又は湿布の貼付のみの処置では算定できません。
※4 令和4年3月31日 事務連絡 疑義解釈資料の送付について(その1)より。