株式会社健康保険医療情報総合研究所

Planning, Review and Research Institute for Social insurance and Medical program (abbr. PRRISM)

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データ提出加算に向けて準備すること(運用体制編)

COLUMN

2022.05.30

前回のコラムではシステムの準備について触れましたが、システムに入力する情報や実際に提出作業を管理するにあたって、院内で誰にどのようなお願いをすればいいのかお悩みはございませんか?
本コラムでは870施設以上のデータ提出加算届出を支援してまいりました弊社の経験をもとに、院内での業務がスムーズにいくような運用体制づくりのためには、どのようなことを検討すべきかに触れてまいります。

データ提出加算は試行データ作成を始めたときから途切れなくデータを作り続けることになります。入院料にも関わる重要な加算なので、担当者様だけではなく管理職の方も安定した運用が行えるような体制構築に留意する必要があります。 本コラムで一緒にポイントを確認していきましょう。

1. 運用面を検討するにあたって決めることは?
データ提出業務(データを入力する作業、データをチェックし直す作業など)の主担当者を決定することから始めるのをお勧めしています。これは院内運用構築やシステム検討などに関わっていただく際、我が事として業務イメージの確立をしていただくうえで重要な意味をもつと弊社では考えています。
また、データ提出には期限があり、期限までに適切なデータを作成し提出を行えること、そのために必要な体制を構築していることが求められます。こちらを実現するためにデータ提出届出に向けてのプロジェクトを管理される方は院内の各部門へ協力を依頼していく必要があります。

2. 主担当者はどの部門の職員が担当することが多い?
弊社の経験からは入院事務担当者の方が主担当者となられるケースが最も多く、それ以外でも医事課あるいは診療情報管理室の方が担当者になられることがほとんどです。また、出来高病院、特に急性期病棟をもたない医療機関様から「診療情報管理士がいなくてもデータ提出加算はできるのか?」というご質問を多くいただきますが、診療情報管理士がいらっしゃらなくてもデータ提出加算の届出は可能です。

3. 入院事務担当者が主担当に選ばれる理由は?
新たにデータ提出加算の届出を検討される際に、日々の業務が大きく変わる点として、カルテデータに相当する様式1の入力、医事会計ソフトを用いた特定入院料等包括行為の入力といった点が挙げられます。データ提出加算で提出するDPCデータのほとんどは入院に関するデータとなっており、先に挙げた例のように業務として新たに加わる点も入院患者に関する情報がほとんどです。
このような背景から、他部署との情報連携やデータ入力にあたって、日常業務の中で入院に関するデータの把握がしやすい入院事務担当者の方が選ばれることがほとんどとなります。

4. 各部門にはどのようなことを依頼する? 
データ提出加算を始めるにあたって入力の中心を事務部門で担うことはできますが、入力する情報については他部門からの情報連携が必要です。
弊社がコンサルタントとしてフォローアップさせて頂く際には医師、看護部、医事部門に情報収集へのご協力を仰ぎます。特に様式1の入力情報は、カルテから拾うには労力がかかり過ぎるケースや、そもそも書かれていない情報もあります。様式1の各項目の情報について各部門から回答を得て、それを担当者が入力するという運用体制を構築していただくことで、担当者の方に過度な負担がかからないようにしています。

5. 管理職が気をつけるべきポイントは?
主担当者を1人決めて、システム導入の予算を取ったら後は担当者に全てお任せ……、このような運用をされていないでしょうか。よくあるケースとしてこのやり方で運用が破綻してしまい、その段になってはじめて弊社にご相談をいただくことがあります。データ提出加算は入院料の施設基準になっているため、遅延等のペナルティが重なって取り下げになると病院経営の根幹に関わります。管理職の方は安定した運用体制を構築し、リスク低減を図る必要があります。以下に、安定した運用体制を構築するうえで管理職が気をつけるべき4つのポイントをまとめましたので、是非ご参考にしてください。

ポイント1:主担当者の他に業務の流れがひと通り分かる副担当者をたてる
突然の退職、休職などで担当者が不在となり、提出に関する業務を分かる人が誰もいないといったことが起きないようにしましょう。また、主担当者の方が責任を必要以上に抱え込んでしまわないように、精神的負荷を和らげるための配慮をしましょう。
これらを実現するために院内で業務の流れが分かる方は主担当者を含め2名以上いるように副担当者をたてることをお勧めします。

ポイント2:各部門との情報連携体制を構築する
既に触れた点ではありますが、情報連携体制を構築する意義はより正確な情報でのデータ作成や安定した運用の実現にあります。他部署からの情報連携による支援は担当者の方の業務負荷を下げるだけでなく、現在の担当者が業務を継続できなくなった際に新しい担当者へ引き継ぎやすくする効果があります。このような面からデータ提出を始める際にはきちんと各部門にも協力を依頼し、情報連携体制を構築しておくことをお勧めします。

ポイント3:手順書やチェックリストを作成しておく
業務の属人化防止や引継を容易にするためにも手順書を作成しておきましょう。また慣れが出てきたときほど、データがCDに焼けていなかった等の思わぬミスで提出遅延を起こすことがあります。提出前のチェックリストを作成する等ヒューマンエラーを低減する取り組みをお勧めします。

ポイント4:業務負荷軽減ができるシステムを導入する
システム導入には業務負荷軽減効果が期待できます。日々の運用だけでなく、引継を容易にするための体制構築の面もありますので検討してみましょう

6.診療録管理体制加算の届出、コーディング委員会設置も忘れずに!
データ提出加算の届出要件の一つに診療録管理体制加算の届出があります。こちらの届出にあたっては退院時サマリの整備、運用管理、診療録管理委員会等の設置、疾病統計の作成などの整備を行う必要があります。
またコーディング委員会の設置(メンバーの規定にも注意)も届出要件となっています。
提出に関わる部分だけでなく、届出要件全体もしっかりおさえておきましょう!

7.さいごに
弊社はDPCデータのスペシャリストとしてDPCデータを基本としたさまざまな分析やシステム、サービスをご提供しています。
データ提出加算のサポートも長年にわたって実施しており、多くの医療機関様のお手伝いをしてまいりました。ご不安な点がございましたら、まずは弊社にご相談ください!

〇運用面での支援サービス等
データ提出加算サポートパッケージ」:データ提出の院内運用構築支援、提出業務指導 
属人化防止サービス」:院内のマニュアル作成支援等
経営分析サービス」:作成したデータでの収益分析ツールのご提供、データ提出に関する対応支援等
データ提出に関わるシステムもご提供しております。
 詳細は前回コラムをご参照ください。