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重症度、医療・看護必要度はいつ評価する?(第5回/全8回)

COLUMN

2022.02.07

本コラムでは、誰をいつ評価すればよいのかを整理し、重症割合の計算時の注意や他の医療機関様でもよくある間違いについて紹介していきます。特に重症割合を管理する看護部長、看護師長様にとって評価と集計対象の違いは複雑でわかりにくい部分があるのではないでしょうか。

ポイントとなる部分を「看護必要度の手引き」や「疑義解釈資料」から紹介してまいりますので、理解を深める一助としていただければと思います! なお本コラムでは要点のみのご紹介に留めていますので網羅的な要件等は「看護必要度の手引き」をご参照ください。

誰をいつ評価する?

はじめに評価対象となる患者様、在棟日や評価対象となる時間等について確認していきましょう。

評価対象についての基本

・評価対象は、看護必要度の評価が必要な入院料を届け出ている病棟に入院している患者様になります。
・評価は毎日行います。
・評価対象時間は0時から24時の24時間で、重複や空白時間を生じさせない当該病棟に在棟していた時間があった場合に評価します。

 評価義務がある入院料を届け出た病棟に入棟した患者様は、原則評価しておく必要があることがわかります。ただし、下記ケースに該当する患者様は評価が不要となります。

評価が不要なケース

・0時から24時の間の外泊日(反対に少しでも病棟にいたら評価の対象になります!)
・産科の患者様
・年齢が15 歳未満の患者様
・短期滞在手術等基本料を算定する患者様
(例えば白内障の水晶体再建術の眼内レンズ挿入など)

また評価はしなければいけないけれども、計算対象に入れないケースと計算対象に入れなくてもよいケースがあります。記録があるもの全てが計算対象になるわけではないので注意していきましょう。

評価は必要だが計算に入れないケース

・退院日

※ただし入院した日に退院した場合は評価対象とします(死亡退院を含みます) その他には医療保険の給付の対象外の患者様については評価、計算の対象としなくてよいという解釈が出ています。こちらは看護必要度の手引きにも載っていないので以下に出典を記しておきます。

問 38 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の対象について、「算定するものとして届け出た病床に、直近3月において入院している全ての患者」について測定するとあるが、自費の患者や労働災害保険の給付を受ける患者などの医療保険の給付の対象外の患者は、対象としなくてよいか。
(答)対象としなくてよい。

出典:厚生労働省「平成 30 年3月 30 日 疑義解釈資料の送付について(その1)」

こちらの「しなくてよい」という表現は、してもよいし、しなくてもよいといった選択の余地を残したものですが、弊社は基本的には対象としない方向をお勧めしています。これには大きく分けて2つの理由があります。

1つ目は単純に測定の手間を看護師等にかけないためです。2つ目は経験上、看護必要度の計算対象に入れると重症度の基準を満たさない結果になるケースが多いためです。特に看護必要度Ⅱを選択している場合にはよりこの傾向が強く出ます。これはレセプト電算処理システム用コードから評価を算出する仕組みの影響によるもので、評価を算出するときに使用するEF統合ファイル(入院)では医科保険対象外の患者様は対象としないのでデータに含まれておらず、各項目に評価がつかないというのがその理由です。

以下にEF統合ファイルの提出範囲を掲載しておりますのでご参照ください。「対象外となるデータを提出した場合、エラーとして取り扱い修正・再提出を求める。」と記載されておりますので、普段作成されているデータで特段の指摘がなければ、こちらの部分に関してはルール通りで作成できているかと存じます。

参考:EF統合ファイル(入院)の提出範囲

(対象となる患者)
・入院医科保険の対象の全患者。
・労災・公害・その他の除外分と保険分との混在の場合は医科保険部分のみ対象とする。
・治験や高度先進の対象患者も調査の対象となる。医科保険部分のみ対象とする。

(対象外となる患者)
・自費診療のみの患者
・労災・公害・その他保険のみの患者
・移植術(例えば腎移植)の場合の臓器提供者はレシピエントに総括する。作成時期に間に合わない場合には不要とする。

出典:『2021年度「DPC導入の影響評価に係る調査」実施説明資料』2021年4月1日時点

よくある評価の間違いにはどのようなものがある?

本コラムでは評価の対象等について触れましたが、施設基準として重要な重症割合を計算する上で、よくある間違いをご紹介したいと思います。自院で同じようなケースがないかご参考にしてみてください。

弊社の経験上、「退院日も計算対象に入れてしまっている」、「短期滞在手術基本料の患者を計算対象に入れてしまっている」例が散見されます。

また現場からは短期滞在手術基本料の患者様を除く作業が煩雑、対象者がわからないといったご意見を伺うことがあります。これは施設基準に関わる重要な集計になりますので、医事課様からも対象者がわかるようサポートいただけるとより確実に正しい集計ができると考えています。

看護必要度Ⅰ、Ⅱどちらの計算方式を使用している場合においてもレセプト電算処理システム用コードを用いた計算部分ができたということもあり、看護必要度の重症患者割合をシステムから算出する病院様が多くなりました。

システムで計算する際には、DPCデータのうち看護必要度のデータにあたるHファイル、レセプトのデータにあたるEF統合ファイル(入院)を使用します。Hファイルには計算の対象に含まない評価日を見分けるために判定対象というデータが含まれています。このデータが間違っていると評価対象外の日を計算対象としてしまうケースがありますのでご注意ください。

看護必要度の対応が可能なシステムは弊社でもご提供しております。興味がございましたら下記リンクよりお問い合わせください!


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その他、重症度、医療・看護必要度の知りたい内容については、下記コラム(全8回)をぜひご覧ください。

コラム1:重症度、医療・看護必要度とは?
コラム2:重症度、医療・看護必要度は何のため?
コラム3:重症度、医療・看護必要度は何を評価する?
コラム4:重症度、医療・看護必要度ⅠとⅡの違いは?
コラム5:重症度、医療・看護必要度はいつ評価する? ※当ページ
コラム6:重症度、医療・看護必要度は何点必要?何割必要?
コラム7:重症度、医療・看護必要度はどう変わってきた?
コラム8:病院全体で取り組む重症度、医療・看護必要度の精度向上